従業員に賃金を支払うときに気をつけるポイントです。
給料と給与
「給与」は、雇用主から労働者に支払われる労働の対価の全てとなります。
所得税法第28条では、給与の定義が次の通りに定められています。
給与所得とは、俸給、給料、賃金、歳費及び賞与並びにこれらの性質を有する給与に係る所得をいう。
このため、現物支給されるものも給与となります。
一方「給料」は、雇用主から労働者に支払われる給与のうち、各種手当、賞与、現物支給を引いたものです。
辞書では、労働者・使用人などに対して、雇い主が支払う報酬。俸給。と書かれています。
-デジタル大辞泉 (小学館)より引用-
賃金支払いの原則
賃金支払いの原則は、労働基準法第24条で定められており
- 通貨払いの原則
賃金は現金で支払わなければなりません。ただし、従業員の同意を得た場合は、銀行振込み等の方法によることができます。
- 直接払いの原則
賃金は労働者本人に払わなければなりません。未成年者だからといって、親などに代わりに支払うことはできません。
- 全額払いの原則
賃金は全額残らず支払われなければなりません。
- 毎月1回以上払いの原則
賃金は、毎月1回以上支払わなければなりません。
- 一定期日払いの原則
賃金は毎月一定の期日を定めて支払わなければなりません。
となっており、現在も検討中のデジタルマネー払いが解禁されるためには、この規定が関係してきます。
気をつけるポイント
- 銀行振り込みによる賃金の支払を行う場合、本人の同意書が必要です。
- 賃金支払い日の朝10時までに引き出せるよう振込期限に注意が必要です。
- 賃金から控除を行う場合、労使協定を締結する必要があります。
- 銀行口座への振込手数料は、企業が負担しなければなりません。
賃金支払いの原則については、違反した場合は、企業には30万円以下の罰金刑が課されます。
給与事務の参考にしていただければ幸いです。