企業が行うインフルエンザの対策

企業が事前に決めておくこと

インフルエンザについては、出勤停止期間を定める法律がありません。

しかしインフルエンザは感染力が強く、すぐに社内で拡がってしまいます。

このため出勤停止について、企業でルールを決めておく必要があります。

ルールが決まっていないと、インフルエンザのため休む連絡を受ける度に、どうしたらいいのか決めなければならず、結果として異なる対応になりかねません。

さらには、通常業務への対応が後手後手になってしまいます。

いつ感染するかわからないため、ルールを明確にし、周知しておくことで、業務へ支障が出ないよう、対策を取っておくことをおすすめします。

ルールとして決めておきたい項目には

  • 出勤停止とする期間
  • 医師の診断の提出の有無について
  • 医師の診断書料の負担(企業負担とするのか本人負担とするのか)
  • 有給休暇を取得するかどうか
  • インフルエンザか検査を受ける命令の基準

などがあります。

 

家族がインフルエンザにかかったとき

本人ではなく、同居している家族がインフルエンザに感染するケースも発生します。

この場合の対応についても決めておくことをおすすめします。

たとえば

  • (本人の希望で)有給休暇を取得させる
  • 小学校就学前の子どもが感染したときは「子の看護休暇」の利用を推奨する
  • テレワークによる対応が可能か検討する
  • 一定期間、休業をさせる(業務命令の休業になるため休業手当の支払いが必要となります)

といったものがあげられます。

 

有給休暇と傷病手当金のどちらを使った方がいいのか

休んでいる間の収入はどうしたらいいのかという点も気になるところです。

病気のため休むとなると、利用を考えるのが

  • 有給休暇
  • 傷病手当金

になります。

有給休暇と傷病手当金のどちらを使った方がいいかは、本人と企業のルールによるところが大きいです。

本人にとっても、支給される額や支給される日が異なります。

また、同じ日に有給休暇と傷病手当金の両方を選択することはできません。

有給休暇は

  • 取得日ごとに1日分の賃金が企業から支給される
  • 企業の公休日は、有給休暇を取得できない
  • 事前申請制のため、受け付けできない場合もある
  • 既に使い切って有給休暇がない場合もある

といったことがあります。

傷病手当金は

  • 1日分の賃金より低い額になる
  • 支給のない待期期間が3日間ある
  • 企業の公休日であっても支給される

といった点になります。

インフルエンザは、毎年10人に1人が感染しています。

「感染しないようにしてください」と声かけするだけではなく、感染したときの対応も準備しておくことをおすすめします。