今後も外国人労働者の受け入れは、増加が予測されます。
言葉の壁
日本人労働者、外国人労働者ともに働きやすい職場づくりは、互いが言葉を伝え合うことから始まります。
しかし日本語であっても難しい言葉が使われる労働関係法令や労務管理に関する言葉を、外国人労働者に理解してもらうことは、そう簡単ではありません。
たとえば従業員を雇用したときは
- 就業規則や労働条件を伝える
- 働き方について、質問を受けたので答える
- 入社した労働者に対し、健康教育や安全教育をする
といったことを行います。
これを、外国人労働者とやり取りするとなると、「言語の壁」が立ちはだかります。
この結果、意思疎通がとれず、トラブルに発展することがあります。
トラブル事例
1.就業規則や労働条件を伝えたときのトラブル
社会保険料や税金などが、給与から差し引かれることを説明するが、理解をしてもらえない。
その結果「給与が少なすぎる」と管理団体に駆け込み、労働基準監督署の立入検査が実施されるトラブルに発展した。
2.働き方のことで質問を受けたので答えたときのトラブル
「もっと稼ぎたい。もっと働きたいのに、なぜ働いてはいけないの?」と疑問をもつ外国人も多くいます。
外国から出稼ぎに来ているので当然です。
日本では、働く上限時間が決まっていると、理由を説明するものの、うまく答えられなかった。
日本の労働慣行の違いについて、理解できない外国人労働者は、徐々に働くことへのフラストレーションをため、失踪した。
3.入社した労働者に対し、健康教育や安全教育をしたときのトラブル
労働安全衛生教育を行うが、日本語が十分伝じない。
結果、十分な教育がなされず労働災害が発生した。
多言語ツール
厚生労働省では、会社と外国人労働者の「言語の壁」を埋めるための取り組みを行っています。
会社の労務管理に使える多言語例文集や、労働関係法令の難しい言葉をやさしい日本語に変換するツールが用意されています。
また、安全衛生確保のため、多言語や漫画、動画を用いて視聴覚教材で学べるサイトもあります。
円滑な意思疎通ができることで、能力を発揮していただき、職場への定着とトラブルの予防につなげていきましょう。